■後半15分からは「目ざしているものとは全く違った」

 23分、38分の得点で、磐田は2対0とリードした。ところが、67分に相手の左CKから失点し、87分には相手のシュートをGK阿部航斗が弾ききれず、同点に追いつかれてしまった。

 磐田は水戸ホーリーホックとの開幕節で、3対0から3対2まで迫られている。この日は仙台が攻撃的な交代カードを切り、狙いを持った攻めで磐田の守備を攻略してきたところはある。彼らもJ1昇格を狙うチームであり、失点については相手を褒めるべきかもしれない。しかし、2対0から2対2に追いつかれてしまうのは、J1昇格候補にふさわしくない。

 87分の失点直後に、磐田は再びリードした。GK阿部のキックをペイショットが競り、セカンドボールを途中出場のFW佐藤凌我が左サイドへつなげる。途中出場のDF川崎一輝がドリブルでペナルティエリア内まで運び、ラストパスを佐藤がプッシュした。

 アビスパ福岡から加入の佐藤は、これが移籍後初ゴールとなった。本来のFWではなくトップ下で起用されてきた彼にシーズン初得点が生まれたのは、チームにとってもプラス材料と言えるだろう。

 課題はやはり、試合運びだ。試合後のフラッシュインタビューでハッチンソン監督は、「特に後半15分以降は、目ざしているものと全く違うものをやってしまった」と話した。J1昇格を念頭に置くのなら、2対0のまま試合を終わらせるか、失点を許さずに3点目を奪わなければならない。

 6節を終えたJ2リーグでは、ジェフユナイテッド千葉が無傷の6連勝で首位を走る。2位には5勝1敗のRB大宮アルディージャ、3位には4勝2分のV・ファーレン長崎が続く。4勝2敗の磐田は、首位・千葉と勝点6差の4位だ。RB大宮と同じくJ3から昇格したFC今治が5位、カターレ富山が6位と、昇格組が上位に食い込んでいる。

 30日に行なわれる次節で、磐田は千葉をホームに迎える。その翌節は、昨シーズン4位でJ1昇格候補にあげられるモンテディオ山形とのアウェイゲームだ。「勝利は良い習慣になる」とハッチンソン監督は話すが、勝ちながら課題を修正していくことが、現在の磐田には求められている。

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