【2025年J2「第6節」ベガルタ仙台VSジュビロ磐田「徹底分析」】磐田、J1昇格候補にふさわしくない後半の失速…「目ざしているものとは全く違った」指揮官も語る試合運びに課題【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
試合運びに苦言を呈した磐田のジョン・ハッチンソン監督  撮影/中地拓也
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■立ち位置が生み出した磐田の2点目

【J2リーグ第6節 3月23日 13時03分キックオフ 仙台 2ー3 磐田 キューアンドエースタジアムみやぎ】

 J2リーグ第6節が3月23日に開催され、5位のジュビロ磐田は7位のベガルタ仙台と激突した。J1から降格してきた磐田と、昨シーズン6位でプレーオフ決勝まで勝ち進んだ仙台の対戦は、J1昇格候補の直接対決である。

 アウェイの磐田は23分にMFジョルディ・クルークスのPKで先制し、38分にも追加点を奪う。この2点目までの流れは、チームの特徴がしっかりと発揮された。

 ひとつ目はクルークスの左足だ。開幕節と5節でアシストを記録したベルギー出身のレフティーは、この場面でもDF植村洋斗のヘディングによるゴールを導いた。その左足は、はっきりとした質的優位を生み出す。磐田に欠かせない武器となっている。

 ヘディングシュートを決めた植村は、右サイドバックを定位置とする。オーストラリア出身のジョン・ハッチンソン監督が指揮する磐田では、両サイドバックは攻撃時に内側のレーンに立ち、ビルドアップからフィニッシュにまで関わっていく。

 DF松原后とFW倍井謙が構成する左サイドは、局面に応じてどちらかタッチライン際で幅を取り、どちらが内側のレーンに立つ。この場面では倍井が1トップのマテウス・ペイショットの近くに立ち、左CB上夷克典から縦パスを引き出している。そこから右サイドへ展開し、クルークスのクロスを植村が頭で仕留めた。サイドバックとウイングの立ち位置を含めた攻撃の狙いが、得点へ結びついた場面と言える。

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