■本大会ではありうる戦い方
ただ、右に菅原、左に中村という組み合わせであれば、やはり4バックにして中盤から前の選手たちをどんどん押し出すような戦い方にシフトするべきだったのか、あるいは別の方法が良かったのか。そうした戦い方をさらに明確化していく必要がある。
菅原は「こういう相手には一瞬の隙だとか、そこの一瞬の高いクオリティが試合を解決すると思うので。そこは僕自身まだまだ課題には感じました」と語るが、攻撃面では相性の犠牲になった側面もある。また左ウイングに強力なアタッカーを持つ相手が、もっと攻撃的に出てきた時に菅原の特長が引き出されるかもしれないが、似たシチュエーションになった時は周りの攻撃力を支える側に回る方が適役と言えるかもしれない。
ここから本大会に向けて、今回のサウジアラビアのように実力のある国が意図的に引いてくるようなケースは6月の2試合でも、まして予選後の親善試合では経験できないが、本大会では十分にありうる。
そうした意味でも菅原と中村という組み合わせなりの最適解、ありは別の組み合わせで、どういう効果をピッチに生み出せるのかをシミュレーションして、組み合わせと戦い方、それに適したシステムというのを練っていくべきだ。
(取材・文/河治良幸)