■意図して引いたチームをどう打ち破るか
最終予選を通して3ー4ー2ー1で戦ってきた”森保ジャパン”だが、前からプレスをかけるときは4ー4ー2のような形になったり、前からのプレスがハマらない時や構えてロングボールに備えるときは5バックにしたりと、形を可変させながら、臨機応変にゲームを勧められるのが、このシステムのメリットであることは間違いない。
選手の組み合わせも、堂安などウイングバックとシャドーの両ポジションをこなす選手を活用しながら、メンバー交代を織り交ぜて変化を起こすというのは最終予選を通して日本のアドバンテージになっていた。
しかし、今回のサウジアラビアのように、それなりに力のあるチームが意図的に引いてきた場合、そこを打ち破っていくためには何が必要なのかを再考する機会になったと言える。確かに今回はバーレーン戦のスタメン組からボランチの守田英正とFWの上田綺世が怪我により、サウジアラビア戦を前にチームを離脱したり、左サイドの主力である三笘薫が直前の練習を欠席して、そのままベンチ外になったりと、難しいチーム状態の中で森保監督も、フレッシュなメンバーにチャンスを与えたことも、こうした結果に影響したかもしれない。
そして何より、サウジアラビアが日本の想定と違う5バック、さらに後半には6バック気味にして守備を固める戦い方をしてきたことで、相手の分析をもとにした事前のプランが崩れた状況で、選手たちのアドリブに頼る領域が広くなってしまったことも確かだ。