【菅原由勢と中村敬斗のWB、森保ジャパンの「主要オプション」になり得るのか(2)】5バックから6バックに変化してさらに厳しい条件に。意図して引いた“力のあるチーム”をどう打ち破るかの画像
サウジアラビア戦でのサッカー日本代表の中村敬斗 撮影:中地拓也

 森保一監督にとっても想定外だったと見られるサウジアラビアの5バックに対して、右ウイングバックの菅原由勢は左の中村敬斗とほぼ同じ高さで、右外に張りながら積極的に、攻撃に関わった。

 チャンスは作れても、なかなかゴールを破れない状況が続いた前半を終えて「ハーフタイムに、もう少し4バックになってもいいんじゃないかという話もあった」という菅原だが、サウジアラビアが6バック気味にして、さらに引きこもったことで、そうした非対称のシステムにしても、あまり意味をなさないと菅原は考えたようだ。
 左サイドの中村敬斗も前半は菅原と同じく外側に張りながら、左センターバックの伊藤洋輝からのパスを起点に、5バックの外側から縦にえぐるドリブルで何度かチャンスを作っていたが、後半に関しては「相手が6バックっぽかったじゃないですか。かなり下がったから。多分、相当に変えてきて、(サウジのディフェンスが)かなり近いところにいて、しかも縦にわざと行かせないような守備をしていた」と振り返るように、より難しい状況になってしまった。
 結局、後半はなかなかサウジアラビアのディフェンスを崩せないまま、右の菅原はシャドーの久保と共に下がり、代わりに伊東純也堂安律が投入された。バーレーン戦では右ウイングバックでスタメンだった堂安が右のシャドーに、その外側から伊東が縦に仕掛けるという関係で、サウジアラビアの守備をなんとかこじ開けようとしたが、結局ゴールにはいたらず。W杯の出場を決めた直後の試合で勝利を掴むことはできなかった。

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