■前田以上に裏抜けを求められた古橋亨梧

 一方、その前田を代わってピッチに立った古橋亨梧(レンヌ)は前田以上に裏抜けからのゴールを求められていた。が、試合終盤はサウジも完全に守り倒す姿勢を鮮明にしており、なかなかスペースが見つからない。後半37分に鎌田大地(クリスタルパレス)のスルーパスに伊東純也(スタッド・ランス)が抜け出した決定機の際も、古橋はゴール前で待ち構えていたのだが、伊東はシュートを選択。自身にチャンスが巡ってくることはなかった。
 結局、約20分間のプレータイムでシュートはゼロ。日本も0-0で引き分け、バーレーン戦ベンチ外のFWが序列を引き上げることは叶わなかった。彼の場合は1月に赴いた新天地で出番を失っているため、ここからの巻き返しもなかなか厳しいと言わざるを得ない。
「練習からすごくいろんな刺激をもらっているし、今、ようやくちょっとずつ慣れてきていると思うんで、あとは結果だけだなと。1点を決めれればもっともっと自信持てる」と本人も前を向いていたが、いかにして現状を打破していくのかが肝要だ。前回落選している分、次のW杯への思いは非常に強い。再びコツコツと実績を積み上げることに徹するしかなさそうだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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