■「思い出した」苦い記憶のオマーン戦

 このところ、日本チームがなかなか思うように得点できずに苦しむ試合を連続して観戦している。

 3月20(木)の午後には、川崎市のUvanceとどろきスタジアムで「DENSOカップ大学日韓定期戦」があり、全日本大学選抜が韓国選抜をシュート0本に抑える試合を展開した。だが、日本選抜はフィニッシュ段階でのパスの精度を欠き、クロスも飛び込んで来る選手と合わず、ようやく79分にクロスが相手DFに当たってこぼれたところを決めて1対0で勝利した。

 そして、浦和レディースはやはり相手をシュート2本に抑えながら、最後までゴールネットを揺らすことができずにPK戦敗退……。

 3月20日の夜には、日本代表がバーレーン相手に苦戦する試合もあった。

 ボール保持では上回ったものの、選手たちのコンディションが悪く、パスが思うように回らず、さらに日本対策を徹底してきたバーレーンに何度も危ない場面も作られる展開。

 僕は、スタンドで観戦しながら、カタールW杯最終予選の初戦で敗戦を喫したオマーン戦を思い出していた。

 だが、日本代表は最後は久保建英のアイディアあふれるアシストで鎌田大地が先制し、試合終盤には久保の個人技が爆発して2対0で勝利して、予選突破を決めてみせた。

 攻めても攻めてもうまくいかない展開で、最後に勝負を決めるのは、どうやら個人の力ということのようである。そんな、個人能力ですべてを決めてしまえるような選手が複数いるのだから、現在の日本代表はやはり特別なチームなのだ。

 最後までゴールを決めきれなかった全日本大学選抜や浦和レディースの試合を見ていて、日本代表のすごさを改めて感じさせられたのである。

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