■準備していようとも最後は“際”の部分
だからこそ、PKでの失点がもったいなかった。そして、クロスからの2失点目も。
守備はおおむねオーガナイズされていたが、外されたときの対応にはやや甘さや遅れもあった。PKは不運な要素もあるが、一方で、防げた部分もある。
「もう少し粘り強くというか、PKの場面も足を出さないとか、クロスの対応も人はいるのでやっぱボールに行けるようにならないといけない」
そう話す選手もいればこそ、この悔しさを次につなげてくれそうだ。準備していた部分がハマろうとも、最後は“際”の部分になるのだから。
後半は2点をまずは取り返すため、攻撃的な戦い方にシフトを切る。冒頭で書いたように、森山監督が送った「いくよ!」のメッセージが選手の胸に響いたのだ。
そして60分以降は、敵将のジョン・ハッチンソン監督が「何分しゃべればいいですか。長い答えになります(笑)」と話すような、ホームチームの展開となる――。
(取材・文/中地拓也)
(後編へつづく)