
試合後の記者会見場に姿を現した森山佳郎監督に、少し、複雑な質問をした。前半、内容は良かったのに2失点してしまい、ハーフタイムでは選手にどのような声をかけ、修正したのかと。
内容とは裏腹のスコアは、サッカーでは起きうるものだ。そういう場合、どこに手を入れるかは難しい。そのまま続ける選択肢もあれば、あえて変化を起こす方法もある。3月23日ベガルタ仙台とジュビロ磐田が激突したJ2第6節も、そのような試合だった。
指揮官が採ったのは後半に入ると同時の2枚替え。そしてその意図を、「悪いわけではなかったのですが、選手交代は2人を、負けていたので“いくよ!”と、そこが反撃の狼煙だよというところでした」とまずは語り、以下のように続ける。
「1点を取ればこの2戦では追いつけるという自信というか、前節(水戸ホーリーホック戦)も0-2から追いついて、その前も先制されて追いついてというところでは、“いや、先制されてもいけるぞ!”というのは選手も持っていると思います。1点を取って盛り上がればもう1点取れるという感覚はつかんでくれているところは、“まだ終わってねえぞ”という雰囲気で後半にいけたのが良かったかなと思います」
選手交代を用いることで刺激を与えて1点取って、その勢いで試合をひっくり返そうとしたのだ。ライバル相手に指をくわえているわけがなかった。