■森山佳郎監督「だいぶ準備してやっていた」
ただし、一見すると、前半の仙台の”狙い通り“という感覚は持ちにくい人もいるかもしれない。磐田はここまでボール支配率ではJ2屈指のものを持っていて、この前半もそうした数字を再現しようとしていたからだ。
それに対して森山監督は、「前節の甲府が60~70%近くボールを持たれていたので、そういうゲームはしたくない」の想いから、「だいぶ準備してやっていた」と語る守備を見せる。相手が最終ラインで持った際には蹴る場所の制限をしっかりとかける。磐田はSBをハーフラインに移動させるなどしてウイングにボールを通しやすい仕組みを用意しているが、それも遮断。そのうえでロングボールを蹴らせれば、それを待ち構えていたかのように回収する。他にも幾重にも磐田のボール回し対策を用意し、ボールを奪えばそこから攻撃に転じていた。
真瀬拓海は、「最初はちょっと様子を見て持たせてたんですけど、それのほうがちょっと嫌だなっていう感覚があって、1回行ってみたら結構いい感じにはまってた」と振り返り、チームとして自信を持って前向きの守備ができていたと話す。そして、「自分たちの時間がすごい長かったのでそこは良かった」とも。
仙台は準備してきた守備でリズムを作って、自分たちの狙いをピッチの上で体現した。そして、プレーする選手も柔軟な判断ができていた。