
サッカー日本代表はぜいたくな時間を過ごしている。森保一監督も大いに悩んでいるに違いない。
3月20日、日本代表はバーレーン戦に2-0で勝利を収めワールドカップ本大会出場を過去最速で決めた。この試合にワントップで起用されたのは上田綺世。森保監督が東京五輪チームを率いているときから信頼を寄せているストライカーだ。
この日の上田はノーゴール。しかしどれだけ大きな役割を果たしたかは、試合の行方がほぼ決まった87分まで上田をピッチに立たせていたことから明らかだった。
実際に上田はこれまで以上の活躍を見せていた。2人、3人に囲まれながらボールを受けてキープし、味方に渡すだけではない。相手を外してターンし、前を向けるのだ。周囲の選手は上田にボールが入ったとき、サポートのために近寄っていくだけではなく、上田へ相手の意識が集中している間にスペースを狙うこともできる。
実際、後半21分の得点シーンがそうだった。日本はディフェンスラインでボールを回し、隙をうかがった。上田はバーレーンDF2人の間にポジションを取り、どちらがマークに行くのか判断を迷わせる。ボールを持った伊藤洋輝が一歩前にボールを運ぶ。その瞬間に上田は動き出しマークを外した。