■上田綺世の口癖は「周りがうまく使ってくれた」
ボールを受けた上田は素早くターン。久保建英が走り込んでいる姿を間接視野に捉えるとスペースにパスを通す。久保は自分の前に走ってくる三笘薫と背中に走り込んでくる鎌田大地から鎌田を選択。鎌田は冷静にワールドカップ出場を決めるゴールを挙げた。
こういうポストプレーについて上田に聞くと、いつも「周りがうまく使ってくれた」と他の選手への感謝を口にするのだが、その実、ボールを受けてからターンするまでは完全に個人技。その質がどんどん上がってきた。「去年から取り組んでいることが次第に形になってきました」と上田も自身の成長を感じている。
上田が「万能型」のストライカーである事は間違いない。両足のシュートは力強い。ヘディングも強い。ポストプレーも上手い。すべてを高いレベルでこなすことが出来る。昨シーズンのエールディビジでは26試合に出場して5得点だったが、今シーズンは13試合で5得点とペースも上がった。
東京五輪も含めこれまでケガに泣かされることが多かったが、今回は3月5日にケガから復帰したばかりという中でこのプレーを見せたことも、日本代表にとって好材料だろう。