■「”ひねくれ者同士”でプレースタイルも合う」

 後半に入ると、ボランチの位置に下がって組み立てにも参加。流れをスムーズにしようと意識的に取り組む中、後半18分に鎌田大地(クリスタルパレス)が入ってきた。
「あまり一緒にプレーする機会はないんですけど、個人的には”ひねくれ者同士”でプレースタイルも合うと思うので。仲良くやっていけたらいいなと思います」と久保は笑ったが、鎌田も「彼はすごいいい選手だし、感覚的に合うところも多いんで、一緒にやったらいいプレーができるだろうなとは思っていた」と強調。その2人の共闘によって、後半21分に待望の先制点が生まれることになった。
 伊藤洋輝(バイエルン)の長めのパスを上田が巧みにキープ。反転して久保に出し、背番号20がドリブルで一気に持ち運んだ。この動きに鎌田が呼応し、クロスする形で中央へ侵入。GKとの1対1を沈める形になった。
「鎌田選手が後から出てきた時に出すというのは決めていたんですけど、より優しいパスを出そうかなと考えたときに、自分が行くふりをして、タテにグイっと行くことで、相手はたぶん『僕が自分で行くだろうな』と思っていたと思う。そこで、相手の重心が後ろになったところでパスを出したら届かないので、あとは『決めてくれ』と思っていました」
 そうやって冷静に駆け引きできるのが、好調時の久保。力めば力むほど空回りする傾向が強いが、今の彼は非常に落ち着いている。後半43分の追加点も肩の力が抜けたいいゴールだったが、代表での立ち位置が目に見えて上がったことが好循環を生み出しているのだ。

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