■「ボールを受けたがらない選手があまりにも多かった」
確かに、どこでボールを収めるのか、誰がリズムを作るのかというのがハッキリしていなかったという印象は強い。鈴木優磨はもっと厳しい発言をしていた。
「みんなにも伝えましたけど、前半はボールを受けたがらない選手があまりにも多かった。こうなっちゃうと試合はきついなと思って前の方から見ていたんで」と背番号40は問題点をズバリ指摘した。
それをハーフタイムに修正したはずだったが、後半になっても流れをつかみきれない。だからこそ、鬼木達監督は鈴木優磨を左サイドに移動させて起点を作ろうとしたのだろう。その時間帯の中盤は知念慶、樋口、右に師岡柊生という配置で、後半31分からは樋口と舩橋佑が交代したが、ボールを確実に保持して試合を落ち着かせ、気の利いたボールを入れられる人材は乏しい。そこは鬼木監督にとっての川崎フロンターレ時代との違いかもしれない。ある意味、鈴木優磨のボランチ起用は”苦肉の策”だという見方もできるのだ。
今後、鹿島が安定的に勝ち点を積み上げていくためには、試合を落ち着かせ、パス出しの起点になれるような選手がもっと増えてこないと厳しいだろう。今はボランチのファーストチョイスである柴崎岳と樋口、右サイドで気の利いた立ち位置を取れる小池がその役割を主にこなしているが、柴崎と小池は年齢的なこともあって連戦をこなすのは難しい。気温の高い夏場になればさらに消耗度が高まってくる。そうなると浦和戦のように攻め込まれる状況も多くなってきそうだ。