サッカー日本代表・三笘薫のチームメイトが「悪い見本」、その目的は「死んだ時間」を減らすこと【ルール改正「ゴールキーパー8秒ルール」でサッカーはどう変わる】(1)の画像
発表の場では、三笘薫のチームメイトが例として挙がった。撮影/原悦生(Sony α‐1使用)

 今年、サッカーのルールが変更されることになった。これまでも何度も改正されているゴールキーパー(以降、GK)に関するルールだが、新たなルールはサッカーという競技を、どのような方向へと導いていくのか? サッカージャーナリスト大住良之が「8秒ルール」を検証する!

■「満場一致」で正式ルールに

 3月1日土曜日。気温7度、南風が強く、雲が空を覆っていた。北アイルランドのベルファスト郊外にある「カローデン・エステイト&スパ」では、国際サッカー評議会(以降、IFAB)の年次総会が開催されていた。穏やかなベルファスト湾(地元ではなぜか「ベルファスト湖」と呼ばれている)を望むことができる高級リゾートホテルである。

 IFABの年次総会は、それを構成する4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)とFIFA、5団体の持ち回りで行われるが、このような風光明媚なリゾートホテルで行われることが多い。

 今年の主要議題は、昨年から試験導入されている「キャプテン・オンリー」のガイドライン設定のほか、ドロップボールなどの細かなルールの改正だった。しかし、思いがけない決定がなされた。昨年から一部の試合で実験的な導入が行われていた「GKボール保持8秒ルール」が正式なルールとなることが満場一致で決議されたのだ。

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