■「非常に流動的」なオーストラリア代表

 ベスト4進出を決めた日本は再び中2日の準決勝でオーストラリアと対戦することが決まった。

 ベスト4のうち、サウジアラビアは中国に押し込まれながら、幸運にも恵まれて失点せず、後半の追加タイムに決勝ゴールを決めてようやく勝ち上がった。韓国は、準々決勝で3対1とリードしながら、90分、90+4分に失点してPK戦という乱打戦を制して勝ち上がった。

 それに対して、オーストラリアはグループリーグから準々決勝まで全勝で勝ち上がってきており、調子は良さそうだ。

 チームの特長としては特定の個人に頼るのではなく、次々と選手が湧き出るように人数をかけてくること。たとえば、ボランチがサイドに開き、サイドハーフが中央に流れたり、左右のサイドハーフが頻繁に入れ替わったりと、全体に非常に流動的だ。右サイドハーフにはティアゴ・キンタルかジョニー・ユルが入るが、キンタルは2トップの一角でもプレーできるし、ユルは非常にカバー範囲が広い選手で、左サイドでも問題なくプレーする。

 そして、その右サイドハーフが中に入るとサイドバックのダニエル・ベニーが豊富な運動量でしかけてくる。クインズパーク(QPR)所属で186センチと長身のベニーは、サイドバックというよりウィンガーと呼んだほうがいい。

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