■将来の財産になる「PK戦」での勝利

 しかし、90分が近づくと、さすがに日本選手にも疲労の色が濃くなり、パス精度が若干落ちてしまう。アバウトなボールが多くなったことで、イランが再び活性化してしまった。その結果、延長戦に入るとイランが攻め込む場面も増え、イランのシュートは後半45分でわずか1本だったのに、延長の30分で3本のシュートを記録した。

 ただ、イランも消耗しており、シュート精度に欠けていた。日本も落ち着いて守って、結局、試合は1対1のドローに終わった。

 PK戦ではイランは1本目にキャプテンのエルファン・ダルヴィッシュ・アアリが蹴ったが、アアリは試合中にも、かなり消耗が激しそうだった。案の定、アアリのキックは抑えがきかずにクロスバーを直撃。これで、PK戦の流れは日本に傾いた。

 フル代表のワールドカップではPK戦で2度苦杯を飲んだ日本。これからはPK戦対策も重用になるが、若い世代がこうしたワールドカップ進出というプレッシャーのかかるPK戦で勝利した体験は、将来に向けての財産になることだろう。(3)に続く。

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