
サッカー史に残る「一撃」となるかもしれない。サッカー日本代表でブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン所属の三笘薫がイングランド・プレミアリーグで決めたゴールのことだ。では、どんな点がすごいのか。そのすごさをサッカージャーナリスト大住良之が解き明かす!
■「天才のワンタッチ」と英国メディアも絶賛
2月14日のチェルシー戦で決めた三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン)のゴールの興奮の余韻がまだ続いている。
0-0で迎えた前半27分、ブライトンのオランダ代表GKバート・フェルブルッヘンがペナルティーエリアの左外からロングキックを送ろうとしたとき、三笘はハーフライン近くの自陣、センターサークルのやや左あたりにいた。そしてキックのタイミングに合わせてターン、ゴール方向にダッシュした。
三笘をマークしているはずのチェルシーの左サイドバック、フランス代表DFマロ・ギュストは一瞬遅れ、この動きについていけず、中央からイングランドU-21代表経歴を持つセンターバックのDFトレヴォ・チャロバーがカバーに戻る。しかし、三笘はチャロバーに体を寄せられながらもジャンプしながら右足の甲でボールをとらえてコントロール。右足で2タッチして回り込んだチェロバーをかわすと、ボールを正確にゴール右隅に送り込んだのだ。
このゴールに熱狂したのは、日本のファンだけではない。イングランドのメディアも「天才のワンタッチ」と絶賛、あらゆる角度からの映像が集められ、繰り返し流された。
だが、このときの三笘のどんなプレーが「天才」なのか。正確な解説はあまり見られないように思う。