■「中東主導で動いている」現在のAFC
アジア・サッカー連盟(AFC)は、ここ数年でACLの大会方式を大幅に変更した。
まず、かつては春秋制で行われていた大会は、前回大会から秋春制に変更された。
東アジアの日本、韓国、中国の国内リーグは春秋制だ(日本は2026年から秋春制に変更)。一方、夏の期間中は最高気温が40度台後半に達する中東地域では夏場には試合ができないから、必然的に秋春制を取っている。
また、オーストラリアは、春秋制だった。つまり、夏中心のシーズンだ。
これは、従来から、オーストラリアで人気が高かったいくつかの種類のフットボール(リーグ・ラグビー、ユニオン・ラグビーおよびオーストラリアン・ルールズ)はすべて秋春制だったため、それらとの差別化を図るためにサッカーは春秋制を取り、「夏のフットボール」として売り込もうという意図だった。
そして、南半球の北半球とは季節が逆だから、オーストラリアの春秋制は北半球の秋春制と同じこととなる。
こうして、各国でシーズン制が違う点がACLの難しさだった。
つまり、中東勢やオーストラリア勢にとってはグループリーグを終えた段階でシーズンオフを迎え、決勝トーナメントは新シーズンの新陣容で戦わざるを得なかったのだ。
そこで、現在は中東主導で動いているAFCは、ACLを中東と同じ秋春制に変更したのだ。そして、さらに今シーズンから準々決勝以降はサウジアラビアでの集中開催とされたことで、レギュレーションはさらに一層、中東有利になってしまった。