■新たな若手が育っている「証拠」

 だが、今シーズンのACLEではクラブ・レベルでも日本勢の強さが際立っているのだ。

 多くの優秀は選手がヨーロッパに渡ってしまうのだから、Jリーグが「空洞化」していてもおかしくはないのだが、選手が引き抜かれれば、それだけ新たに若手選手が育ってきており、Jリーグのレベルは落ちるどころか年々向上しているのだ。

 この10年を振り返れば、川崎フロンターレがパス・サッカーを引っ提げて一世を風靡。そして、アンジェ・ポステコグルー監督の横浜F・マリノスが超攻撃的サッカーで対抗。ここ2、3年はヴィッセル神戸に代表されるようなカウンター・プレスを武器とするチームの時代が到来した。

 こうした、さまざまなスタイルのチームがしのぎを削る中で、Jリーグのサッカーは発展を遂げているのだ。しかも、それはJ1リーグの一握りの強豪チームだけのことではない。そのことは、2021年に天皇杯全日本選手権で優勝したJ2所属のヴァンフォーレ甲府が、翌年のACLで健闘したことで証明された。(2)に続く。

(2)へ続く
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