■小池龍太の存在感
そのうえで、守備陣の構成を見ていくと、最終ラインの安西幸輝、関川郁万、植田直通の3枚とGK早川友基はほぼ固まっているが、問題は右サイドバック(SB)。11日の練習時は新加入の小池龍太が主に主力組に入り、昨季9ゴールの濃野公人は控え組でプレーする機会が多かったのだ。この段階でそういう組み合わせにしているのは、鬼木監督の中で「開幕戦は小池で行く」という意識が高まっているということ。その可能性が高いと推察される。
実際、水戸戦でも小池が入ってからの方が守備が安定し、ボランチや右MFとの連携面も向上している。レノファ山口を皮切りに、柏レイソル、ロケレン、横浜F・マリノスとさまざまな環境でプレーしてきた彼は適応力が高く、周囲とも良好な関係性を作るのに長けた選手。しかもマリノス時代には、アンジェ・ポステコグルー監督から偽SBともいうべき変幻自在なポジショニングを求められ、しっかりと適応していたのだ。
そういう臨機応変さと賢さは鬼木監督が重視する点。濃野には元アタッカーらしいパンチ力あるシュートや推進力、爆発力があり、それも鹿島にとっては貴重なポイントだが、11日の練習後、走力を引き上げるためにトレーナーと一緒に強度の高いランニングをしていたところを見ると、まだコンディションが万全とは言えないのかもしれない。そういった要素も勘案し、湘南戦では小池がスタメン、濃野が途中からギアを上げるジョーカーとして起用されると予想する。