■期待されるもう一人の2006年生まれ
その中島とともに中国へ赴く同じ2006年生まれの井上愛廉も楽しみな人材。神戸戦では出番がなかったものの、超過密日程の今季を考えれば、必ず出番はある。そこで目に見える結果を残していけば、必ず序列も上がってくるだろう。
ご存じの通り、今季からジャーメイン良は加入、1トップのファーストチョイスは彼だが、昨季までいたドゥグラス・ヴィエイラ、ピエロス・ソティリウ(アポエル)、ゴンサロ・パシエンシア(レシフェ)が相次いでチームを去り、人材は必ずしも潤沢とは言えないところがある。もちろん加藤陸次樹も最前線はこなせるが、井上には大きく伸びてもらう必要があるのだ。
これまでの広島はどうしても佐々木翔や塩谷司ら30代ベテラン選手に頼りがちな傾向が強かったが、若い世代が台頭し、幅広いバランスで戦える集団になることが重要だ。そういう意味でも今季は若手のブレイクはマスト。2000年代生まれの面々の目覚ましい活躍を楽しみに待ちたいものである。
(取材・文/元川悦子)