■田中聡と菅大輝が見せた存在感
中島がAFC・U-20アジアカップ(中国)で最大3週間不在ということもあり、彼の重要度はより高まってくるはず。まずは2月16日の町田ゼルビアとの開幕戦にしっかり照準を合わせたいところだ。
もう1人、新戦力で目を引いたのが、コンサドーレ札幌から赴いた菅大輝。後半19分から登場で、いきなりファーストタッチで右CKを蹴り、荒木の2点目をお膳立てしてみせた。そのキックの精度、左サイドでの推進力含め、今季広島にとっては大きな武器が加わったという印象も強い。
「菅ちゃんはパンチ力あるシュートを持ってるし、ドリブルで仕掛けることができる選手。僕はビルドアップのところでリズムを作りながらゴールに直結するスルーパスを出したり、キックのところで違いを見せられると思う。同じポジションにライバルが来ることはすごくポジティブですね」と東峻希も前向きにコメントしていたが、左ウイングバック(WB)でこの2人を使い分けられるのはかなり贅沢。右WBの中野就斗、新井直人を含め、広島のサイド攻撃はより一層、脅威になるはずだ。
そういう面々を見ていても分かる通り、今のところ新戦力融合はかなり順調。分厚い選手層が実現した彼らが優勝候補筆頭なのは間違いなさそうだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)