■昨シーズンの横浜FCが参考に
J1昇格争いを演じるためには、2ケタ得点が見込める得点源の登場が望まれる。しかし、既存のメンバーのFW梅木翼とエロンは、昨シーズンのリーグ戦の得点がともに「3」だ。グスタボはJリーグでは未知数のところがあり、宮崎は昨シーズンの6得点がキャリアハイだ。ここまでの4人の実績から判断すると、「前線の柱になるのはこの選手だ」という存在が見つけにくい。
だとすれば、昨シーズン9得点のMF相良竜之介を筆頭に、より多くの選手が得点をあげていくのがJ1昇格への近道となる。MF郷家友太は23年に10ゴールをあげており、大一番での勝負強さを備える。昨シーズン2得点のMFオナイウ情滋も、得点にもっとこだわっていいはずだ。23年のFC町田ゼルビアで6得点3アシストをマークした新加入のFW荒木駿太にも、数字が求められる。
仙台にとってモデルケースとなるのは、昨シーズン2位の横浜FCだろう。チーム最多得点はカプリーニ、小川慶治朗、伊藤翔の7点だったが、彼ら3人を含めて16選手が2得点以上を記録した。チーム総得点は、リーグ4位の「60」に達している。
その原動力となったのが、リーグ最多の14アシストを記録したDF福森晃斗だ。高精度の左足がセットプレーで生かされ、CKやFKから多くのゴールが生まれた。
昨シーズンの仙台では、中島とMF鎌田大夢がキッカーを務めてきた。中島に代わるキッカーとして期待されるのは、新加入のMF武田英寿である。左足のキックは正確で、23年には水戸ホーリーホックで9アシストを記録している。同じレフティーのMF松下佳貴が藤枝MYFCへ移籍したことを踏まえても、武田に寄せられる期待は大きい。彼が定位置を確保してキッカーを担えば、セットプレーを得点源にできるはずだ。
ロングスローも武器になる。左SB石尾陸登、右SB高田椋汰、オナイウの3人が、ロングスローを投げることができる。彼らの武器を有効活用することも、得点力アップにつながっていくだろう。