家長昭博と重なる動き方

 彼の一挙手一投足を見ていると、川崎フロンターレの家長昭博を重なるところが少なからずあった。鬼木体制の家長は右サイドからスタートしつつも、トップ下やゴール前、左サイドへと臨機応変にポジションを変えながらボールを触り、中盤と絡みながら厚みのある攻撃を組み立てていた。さらにフィニッシュの部分でも存在感を発揮していた。
 指揮官に「荒木は家長選手のようにつなぎに参加して、2トップとの関係性も深めていくイメージなのか」と尋ねると「もうそのまんまでいいと思いますよ」と笑顔で回答。「ボールに多く触ることが重要ですね。(17日のロアッソ)熊本戦の時は距離感が少し遠かったけど、徐々にこちらの求めていることをやれるようになってきている。上手な選手がいっぱいボールに触るに越したことはないですしね。最終的にはゴールに絡むことが重要なので、立ち位置も前回よりよくなっているし、非常にいいプレーも増えてきていると思います」と荒木の動きを前向きに評価していた。
 今後、レオ・セアラの状態にもよるが、近いうちには鈴木優磨を含めた2トップと右サイドの荒木をともにプレーさせ、攻撃の連動性向上、守備強度のアップを図っていくことになるのだろう。それが1月25日のファジアーノ岡山戦なのか、2月1日の水戸ホーリーホック戦なのか、もしくはそれ以降になるのかは分からないが、多くの人々が3人の共存を早く見たいと願っているに違いない。
 昨季21点のレオ・セアラ、15点の鈴木優磨、7点の荒木が最強のコンビネーションを確立し、持てる力の全てを発揮できるようになれば、常勝軍団復活に大きく近づく。その日が待ち遠しい限りだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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