■「後ろを5枚、3枚でやるのは少し難しい」

「システムを変えずにトレーニングマッチを戦っていますが、良い所は継続して、修正を加えたいところは修正を加えていくという考え方でしょうか?」
 25日の練習後、率直な推測を言葉にすると、長谷部監督は「そうですね」とゆっくりと、しかし、力強い声で首肯する。
 そして、「後ろを5枚でやる、3枚でやるっていうのは少し難しいと思います」と話したうえで、その理由を「(3バックで戦うとなると)本当にゼロからのスタートになるので、それが1から、2からのスタートになるように、自分では決断しているつもりです」と明かす。
 川崎は長らく4バックで戦ってきた。しかも、下部組織の選手がトップチームに上がっても戸惑わないようにしたいという考えがクラブにあるため、集まってきた選手も、4バックでの適正がある選手ばかりである。そのようなチームで、それとは違う戦い方を選択すれば時間がかかることは必至だ。まして、ACLEの大舞台を初戦に控えており、時間も限られている。指揮官の決断は、そうしたさまざまな背景があればこそのものではないか。

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