■「選手の気持ちや体、特性を大事にしたい」
長谷部監督は、筆者の質問にさらに言葉を続ける。
「何より、プレーするのは選手で、私ではありません。できれば、選手がやりやすい・やりたい、そういうふうになるように(したい)」
だからといって30人ほどいる選手の気持ちのすべてを汲むことはできないが、「でも、ピッチでプレーするのは選手ですから、選手の気持ちや体、特性を大事にしたい」と話す。
ここで思い出したのは、始動日に筆者が聞いたもう一つの質問の答えだ。まず質問は、指導者としてさまざまな立場で経験を積んできた長谷部監督が、「監督」として大事にしているのは何か、というもの。そして答えは、「プレーするのは選手であること」だった。指揮官の中にある信念や考えに、ブレはなかった。
(取材・文/中地拓也)
(中編「選手のさまざなまポジション起用」へ続く)