■広島のタイトル獲得のために
田川に関しても、8月に入ってチャヴリッチが負傷。FWの陣容が手薄になったため、新たな得点源として期待されたが、ベンチにさえ入れない状態が長く続いた。それはランコ・ポポヴィッチ監督から中後雅喜監督へとスイッチした10月以降も変わらなかった。
来季の鹿島アントラーズはレオ・セアラ加入が確実視されるため、FWの選手層は確実に増す。そこに田川はどのように割って入るのか。キャリアを大きく左右するシーズンになるのは間違いないだろう。
そしてもう1人、サンフレッチェ広島の満田誠も2025年はV字回復を果たしてもらわなければならない人材だ。大卒新人だった2022年に9ゴールを挙げ、同年夏のE-1選手権にも参戦した男は2023年が4点、2024年が3点とゴール数が下がってしまっている。
昨季はケガの影響もあったが、今季は単純に松本泰志や川辺駿らとの競争に敗れる形になった。背番号11をつけている以上、このまま下降線を辿ることは許されない。ミヒャエル・スキッベ監督体制4年目の広島のタイトル獲得のためにも、彼には再ブレイクを強く求めたい。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)