■必須テーマは攻撃陣のテコ入れ
そのうえで、攻撃陣のテコ入れを果たすことは必須テーマだ。今季のガンバは引き分けが12もあり、上位陣の中では「ここぞというところで勝ち切れない」という印象が強かった。中谷も「夏場から秋にかけて貴史(宇佐美)以外の得点源が見つからなくて、勝ち点を落としていたのは確か。あと2~3勝していたら、タイトルに手が届いたかもしれなかった。そのあたりは悔やまれるところ」と指摘していた。
前述の広島戦で2ゴールを奪った坂本がシーズン2ケタゴールを達成し、近未来のエースに飛躍できそうなポテンシャルを示ししかしながら、若いタレントは海外移籍予備軍でもある。2025年も1年間ガンバにいるとは限らないし、夏に新天地に赴く可能性もないとは言い切れない。そういった不確定要素がある分、今夏、ベルギーから戻ってきた林大地や外国人FW陣のブレイクが待たれるところだ。
ガンバは2015年の天皇杯制覇以来、長くタイトルから遠ざかっている。同じ関西勢のライバル・神戸が頂点に立っている現状を何としても打破してほしいと熱狂的サポーターは強く願っているはず。その一大テーマをどう実現していくのか。25年の動向が大いに気になる。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)