■堅牢な守備が25年はさらに強固に

 最大の立役者は中谷だ。彼は38試合フルタイム出場を果たし、頭抜けた統率力と発信力を披露。Jリーグベストイレブンも初受賞し、名実ともにJ最高DFの評価を得た。
「名古屋から移籍する時に『何で?』とすごく言われましたけど、『自分の中で何かを変えないといけない』という危機感が強かった。その気持ちを持ち続けて今シーズンやりましたし、チームの上昇とともに僕自身の感覚もよくなっていった。決断してホントによかったと思います」と、本人も激動の1年をしみじみと振り返っていた。
 一方の一森も「昔からそうなんですけど、GKとセンターバック(CB)がしっかりしていればチームはなかなか崩れない。ガンバは昨季失点がすごく多くて(61)、戻ってきた時にそういう癖というか緩さを感じたんで、そこはしっかりやらないといけないと思っていました」と語気を強めた。横浜F・マリノス時代にAFCチャンピオンズリーグACL)を経験し、数々の修羅場をくぐってきた守護神は細部へのこだわりをチームに植え付けようとした。それも失点減の大きな力になったはずだ。
 彼らに引っ張られて、福岡将太半田陸黒川圭介も成長。ケガもあって控えに甘んじたベテランGK東口順昭も「もっと状態を引き上げないといけない」と自覚を強めたという。そこに右ひざ前十字じん帯断裂で今季中の復帰が叶わなかった三浦弦太が戻ってくれば、堅牢な守備はより一層、ブラッシュアップされるはず。2025年はJ1最少失点が大きな目標になるだろう。

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