【鬼木監督の「最後の取材」で聞いた川崎フロンターレの絆のこと、中村憲剛のこと(2)】鬼木監督が「花束が似合う男でした」と話す谷口の粋な行動と、「僕もお礼を言えた」と明かす中村との会話の画像
中村憲剛氏の引退試合でプレーする鬼木達監督 撮影:中地拓也
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「憲剛に誘ってもらってから、“本当の最後”はここなんだろうなと思っていました」

 鬼木達監督は、川崎フロンターレでの表に出る最後の活動を、中村憲剛の引退試合だと秘めていたのだという。

 公式戦としてはリーグ最終節のアビスパ福岡戦が最後。しかし、12月14日が、川崎フロンターレとの別れの場になるとイメージしていたのだと明かす。
 そんな引退試合への中村本人からの誘いはどのようなものだったのか。鬼木監督に聞けば、「まあね、それもね、……けっこう深いからあんまり言えないですね(笑)。なって言ったらいいだろうな……。憲剛が……。難しいっすね、表現が難しいですね(笑)」と言うように、さまざまな背景があったようだ。
 実際、鬼木監督は今季終盤に難しい時期を過ごしていた。10月16日にクラブを通じて退任の発表が行われたが、その話し合いはそれより前のこと。今季、思うように白星が得られない中で、視線はチーム成績を上向かせることに集中していた。
 そんな中で、「でも、“このタイミングで来たか”っていう感じのところで(引退試合の出場のお願いが)来てくれて、1回お願いされて、”できれば(出てほしい)”って」と明かす。
「まだ試合もあったし、返事は本当に最終戦が終わってからでかまわないんで、みたいな感じで言ってくれて。で、いろんな話をして。これも言ったらあれなのかな……?」
 そう目を細くして鬼木監督が話しを向けたのは、12月7日のことである。

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