
2023年J1王者・ヴィッセル神戸が連覇に王手をかけている2024年J1。だが、2位・サンフレッチェ広島も決して諦めてはいない。
彼らは一時、優勝目前と見られていた。だが、10月19日の湘南ベルマーレ戦、11月3日の京都戦、10日の浦和レッズ戦でまさかの3連敗。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2との過密日程があったにせよ、この足踏み状態は大きなダメージとなった。
だが、12月1日のコンサドーレ札幌戦で完全に息を吹き返し、加藤陸次樹、東俊希、トルガイ・アルスラン、ピエロス・ソティリウの2発と多彩な得点パターンから大量5発を奪い、圧勝している。これで直近の悪い流れを断ち切ったのは間違いない。ラストのガンバ大阪戦で本来の力を出し切れば、勝ち点3を手にできる可能性はかなり高い。今季限りで引退する青山敏弘にシャーレを掲げさせるためにも、人事を尽くして天命を待つしかない。
彼らが逆転タイトルを獲得した場合、MVPを選ぶのは非常に難しい。というのも、今季の広島はかつての青山、佐藤寿人(解説者)のような絶対的主軸というべき人材がいないのだ。あえてそれを挙げるとすると、キャプテン・佐々木翔、DFとボランチを柔軟にこなした塩谷司、日本代表GK大迫敬介のいずれかということになる。