■実に貴重なものとなった「勝点1」
まず、88分に空中戦の競り合いで柏のDFのジエゴが武藤嘉紀に対してヒジ打ちを食らわせた。御厨貴文主審はこのプレーを流したが、ここでVARが介入。反則が認められて神戸にPKが与えられ、前半に同様の反則で警告を受けていたジエゴは退場となった。
ところが、このPKのチャンスで大迫勇也のキックはクロスバーの上に大きく外れてしまう。「これで神戸の敗戦が濃厚」と思われたが、神戸は諦めることなく1人少なくなった柏のゴールに襲いかかった。
そして、100分(90+10分)に混戦の中で武藤がこぼれ球を押し込んで同点かと思われたのだが、副審の旗が上がっており、万事休すかと思われた。
しかし、ここで再びVARが介入する。そして、約4分という時間をかけてオフサイドのチェックが行われ、神戸の得点が認められたのだ。
こうして、試合は1対1の引き分けに終わり、神戸は勝点1ポイントを獲得したが、このVARによって与えられた1ポイントは、神戸にとって実に貴重なものとなった。
もし、神戸がこの試合に敗れていたら、翌日の北海道コンサドーレ札幌戦でサンフレッチェ広島が勝利した時点で両チームの勝点が並び、得失点差で上回る広島が首位を奪還していたはずだったからだ。そうなったら、神戸は最終節で湘南ベルマーレを破ったとしても、広島が勝利したら優勝に届かなくなっていた。
だが、柏戦で貴重な勝点1を手にしたおかげで、神戸は勝点でリードした状態で最終節を迎えることができることになったのだ。