■攻守にスキなしの岡山が決勝へ

 敵地で先制点をあげた岡山は、攻勢を強める。34分、左CKからFW木村太哉がシュートを放つと、ゴール前の密集でFW岩渕弘人の足に当たってネットが揺れる。あっという間にリードを広げた。

 前半のうちに2点をリードした岡山だが、52分にアクシデントに見舞われる。岩渕が退いたのだ。チーム得点王は右足の太もも裏を気にしながら、ピッチをあとにした。

 その直後、試合の行方を決定づけるジャッジが下される。岡山の選手と交錯した山形のDF川井歩が、ラフプレーで一発レッドを受けるのである。

 数的優位に立った岡山だが、選手交代で攻撃のギアを上げた山形に押し込まれる時間帯もあった。しかし、GKスベンド・ブローダーセンが身体を投げ出す場面は限定的で、2対0のまま時間を進めていく。

 84分には決定的な3点目を奪う。MF藤田息吹のスルーパスから木村がDFラインの背後へ抜け出し、GKをかわしてから冷静に流し込む。22年のJ1参入プレーオフで山形に0対3で敗れた岡山が、同じスコアでリベンジを果たして決勝へコマを進めたのだった。

 準決勝のもうひとつのカードでは、リーグ戦6位のベガルタ仙台が同3位のV・ファーレン長崎を下した。この結果、同5位の岡山は決勝をホームで戦うことができる。引分けでもJ1昇格をつかめる。条件は岡山に有利だ。さらに言えば、仙台には今シーズンのリーグ戦で連勝している。

 不安材料は主力のコンディションだろう。岩渕だけでなく一美が、右足を痛めて後半途中に退いている。木山隆之監督のマネジメントが、決勝戦ではポイントになりそうだ。

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