【J2「J1昇格プレーオフ準決勝」】6位・ベガルタ仙台、3位・V・ファーレン長崎を4発撃破 ダメ押しゴールも!FW中島元彦が“MVP級活躍”で下剋上を演出【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
MVP級の活躍を見せた仙台・中島元彦  撮影/中地拓也

■中島のPKで仙台が先行

 今シーズンのベストマッチと言っていいだろう。

 J1昇格の最後のイスを争う「J1昇格プレーオフ準決勝」が、12月1日に行なわれた。6位のベガルタ仙台は、3位のV・ファーレン長崎のホームへ乗り込んだ。

 序盤から冷静に、かつ厳しく試合を運んだ。2人のCBにMF秋野央樹を加えた3人で、あるいは2人のCBとGKの3人でビルドアップをしてくる長崎に対して、仙台は2トップのエロン中島元彦にサイドMFの郷家友太相良竜之介が連動し、前線から規制をかけていく。相手の両ウイングにボールが入ると、SBの真瀬拓海奥山政幸がすばやくアプローチする。

 コンパクトでソリッドなディフェンスで長崎に好機を許さず、28分に相良のシュートが相手CBのハンドを誘う。PKだ。

 重要な一撃を託されたのは、チーム最多の13得点を決めている中島だ。31分、背番号7はゴール中央へ迷わず蹴り込み、仙台が先制に成功する。

 長崎に決定機を許さなかった仙台だが、アディショナルタイムにゴールへ迫られる。秋野の縦パスからFW笠柳翼、MFマテウス・ジェズスとつながれ、FWエジガル・ジュニオにペナルティエリア内で左足を振られる。左ポストをかすめるような一撃が、ゴールを際どく逸れていく。

 ここで同点に追いつかれていたら、試合の展開は変わっていただろう。エジガル・ジュニオのほんのわずかな感触のズレに、仙台は助けられたと言える。

  1. 1
  2. 2
  3. 3