■「逆転した」日中両国の力関係
こうして、ようやく中国に追いついた日本は、その後、政治的原因で極東選手権大会が消滅してしまったこともあって世界に目を向け、1936年のベルリン・オリンピック1回戦でヨーロッパの強豪の一つ、スウェーデンに勝利することになる。そして、この大会には中国も参加しており、1回戦では英国に0対2の敗戦と善戦している。
第2次世界大戦後は、中華民国(台湾)がFIFAに加盟していたため、中国(中華人民共和国)はいったん加盟したFIFAから脱退してしまう。そのため、日本との交流はほとんどなかったが、文化大革命後の1970年に中国は国際舞台に復帰。日本は1980年に行われたスペイン・ワールドカップ予選や1987年のソウル・オリンピック予選で中国と対戦したが、いずれも敗れて世界大会出場を阻まれてしまった。
当時は、内容的にほぼ互角ながら、日本代表は中国の勝負強さに敵わなかった。
その後、1993年にJリーグが発足して日本の強化が進むと、両国の力関係は逆転した。