J1のアビスパ福岡が、今季のホーム最終戦に向けた動画を公開した。今季限りでクラブを離れる指揮官への愛情が詰まった動画に、感動の声が広がっている。
11月30日は、福岡にとって特別な一日となる。今季のホーム最終戦であることはもちろん、長谷部茂利監督がベスト電器スタジアムで指揮を執る最後の試合になるからだ。
長谷部監督は、福岡というクラブを大きく変えた人物だ。2020年に監督に就任すると、すぐさまチームをJ1昇格へと導いた。
それだけではなく、負のサイクルもぶち壊した。5年に一度はJ1に昇格するものの、1シーズンでJ2へと降格という流れが続いていたが、長谷部体制でのJ1初年度となった2021年には8位という1ケタ順位で残留を成し遂げた。2023年にはルヴァンカップ初優勝を果たし、J1では7位という過去最高順位でシーズンを終えた。現在は10位につけているが、残り2試合で1ケタ順位に入る可能性は十分にある。
そんな名将が、シーズン終了を待たずに今季限りでの退任を発表した。長谷部監督自身が5年で一区切りをつけた形だが、クラブに来季の新体制を考える十分な時間を与えたのも、人格者である長谷部監督らしかった。
長谷部監督を気持ち良く送り出すためにも、ホーム最終戦の重要性はぐっと増す。クラブが公開した来場を呼び掛ける動画も、自然と長谷部監督に捧げるものとなった。
この5年間のさまざまな場面を、写真とともに振り返っている。最期には、「ラストカットをその目に焼きつけろ」という言葉で、締めくくられていた。