■清水は熊本に主導権を握られ…
「超攻撃的」が、長いシーズンを勝利で締めくくった。
J2リーグ最終節が11月10日に一斉開催され、首位の清水エスパルスは12位のロアッソ熊本と対戦した。すでにJ2優勝とJ1昇格を決めているが、ホームのIAIスタジアム日本平は1万8千人をこえる観衆で埋め尽くされた。
この試合の前日に、GK権田修一の今シーズン限りでの退団が発表された。そのGKには、大卒ルーキーの猪越優惟が起用された。背番号51は初のメンバー入りでのリーグ戦デビューとなる。
また、FW北川航也が出場停止の最前線には、高卒1年目のFW郡司璃来が起用された。郡司の先発出場は、3月30日以来シーズン2試合目である。ダブルボランチの一角を担うMF成岡輝瑠は、シーズン初先発だ。システムは4-2-3-1でスタートした。
ボール保持に長けたチーム同士の対戦で、前半の清水は主導権を譲った。3-3-1-3の立ち位置から流動的に動く熊本に対して、誰が誰を見るのか、どこのスペースを埋めるのかが微妙に遅れる場面があり、守備ブロックの間でボールを受けられてしまうのだ。それによって、ミドルレンジからシュートを浴びせる場面もあった。
ビルドアップにも苦しむ。ボールを奪う場面が低くなりがちで、守から攻への切り替わりで前線に選手が少ないのだ。
前半の清水はシュート1本に終わり、熊本には9本浴びた。失点を覚悟する場面もあった。「超攻撃的」の姿勢を見せられないまま、前半を終えることとなった。