■アウェイで痛恨の黒星も「次節勝てばいい」
1対1のまま迎えた60分、仙台の森山佳郎監督が動く。MF相良竜之介、FWエロンに代えて、DF石尾陸登、MFオナイウ情滋を投入する。
その直後だった。右サイドからGKとDFラインの間へクロスを供給され、熊本CF石川にヘディングシュートを決められてしまう。CB菅田真啓がマークしていたが、石川に前へ入り込まれてしまった。
追いかける仙台は、オナイウと右SB真瀬拓海の右サイドから相手ゴールへ迫る。66分、エロンの交代後は2トップへポジションをあげたMF郷家友太がヘディングシュートを放つが、GKの正面を突く。
森山監督は75分にも2枚替えをする。MF工藤蒼生、真瀬を下げ、MF松井蓮之、FW梅木翼を投入する。
選手の立ち位置を修正したその3分後、決定的な3点目を喫する。自陣でのボールロストからショートカウンターを浴び、ゴールネットを揺らされてしまった。交代カードを切って流れを変えたいところで、致命的と言ってもいい失点を献上したのだった。
総シュート数では熊本を上回った。ペナルティエリア内への侵入でも劣らなかった。しかし、効果的に得点を奪われ、手痛い黒星を喫することとなった。
試合後のフラッシュインタビューに応じた森山監督は、「あのスーパーゴール(1点目)が決まると、熊本の流れになっちゃったかなというところはあります」と話し、「難しいゲームになるのは分かっていた。チャンスは作っていただけに、先に2点目を取れれば、というところです」とも語った。ホーム最終戦を勝利で飾るという熊本のモチベーションを、跳ね返すことができなかった印象である。
次節は大分トリニータをホームに迎える。勝てば無条件で、J1昇格プレーオフに出場できる。森山監督も「勝ちさえすればいいので、とにかく前を向いていい準備をしたい」と気持ちを切り替えた。