■複数クラブ所有「オーナー」の数は…
この後、シティ・グループは次々と世界各地のクラブを買収、現在では世界14か国(14クラブ)をその傘下に置いている。横浜FMも2019年、2022年にJリーグ優勝を飾ったが、他のクラブもリーグ優勝や昇格など成功を収めており、世界最大のマルチオーナーシップの恩恵を受けている。
さらに、シティ・グループは、すべてではないが傘下クラブの女子チームやアカデミー(育成組織)まで、その傘下に加えており、選手育成からチャンピオンシップまで、「サッカー産業」に広く手を広げている。
ひとつの企業や一個人が同じリーグで複数クラブを所有することは、世界のどこでも禁止されている。公正な競争を考えれば当然のことと言える。だが、所属リーグが違う複数クラブの所有は禁止されていない。1人のオーナーが2か国のクラブを所有しているという段階を含めれば、「マルチオーナーシップ」は、すでに世界中に68もあるという。そして、「レッドブル・グループ」や「シティ・グループ」のような「世界戦略」を進めるグループも、現在は片手では数えられないほどになっている。