後藤健生の「蹴球放浪記」第237回「全社開催地の近江で新たな発見」の巻(2)滋賀県で「西武新宿線」に乗って準決勝へ、楽しい「鉄道旅の締め」は大人のハシゴの画像
近江八景のうち、現代の「瀬田夕照」。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、サッカー取材で国内外を広く旅してきた。とはいえ、未踏の地もまだ残っている。そのひとつが、「近江の国」だ。第60回全国社会人サッカー選手権「全社」を取材しながら、琵琶湖のほとりで得た「新たな発見」とは…。

■琵琶湖疎水の「水路」を辿って三井寺へ

 皇子山陸上競技場は1964年に完成した古くからの競技場ですが、僕はまだ行ったことがありませんでした。競技場は大津市役所の目の前という便利な場所にありますから、浜大津駅からも徒歩圏内のようです。

 大津港を出た僕は、まず琵琶湖疎水を見学しました。1890年に完成した人口の水路で、トンネルや閘門などを通って京都市まで通じています。琵琶湖の水は京都市の上水のため、あるいは水力発電のために使われ、さらに疎水は水運にも利用されました(今でも、観光船が運行されています)。

 浜大津駅からすぐ北側で、その疎水の取り入れ口を見ることができます。そして、そこから水路沿いに辿っていくと水路はトンネルの中に消えていきます。最初のトンネルは三井寺(園城寺)の境内の下を通っているのです。

 そこで、次は三井寺の観光です。天台宗寺門派の総本山。梵鐘で有名な古刹です。

 三井寺の観音堂からは琵琶湖方面が望めるのですが、木が茂っていて湖はよく見えませんでしたが、すぐ左手には皇子山陸上競技場が見えました。

 競技場のメインスタンド裏には京阪石山坂本線が走っていて、「大津市役所前」駅から電車で市内に向かえます。

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