【ルヴァン準優勝も国立を魅了。新潟が大舞台で示したもの(1)】「決勝だからって別のサッカーをするつもりは全くなかった」と秋山もキッパリ。松橋監督のポゼッションサッカーを体現した新潟の画像
自らのスタイルを貫いたうえで驚異の粘りを見せたアルビレックス新潟 撮影:中地拓也

 11月2日に東京・国立競技場で行われた2024年YBCルヴァンカップ決勝。2021年王者の名古屋グランパスに初のファイナリスト・アルビレックス新潟が挑むという形だったが、6万2000人超の大観衆の半数以上がオレンジサポーター。季節外れの悪天候に見舞われる中でも新潟から駆け付けた熱狂的な人々の後押しには、選手たちも感極まったようだ。
「新潟のサポーターは日本一だと思っている」とこの日、堀米悠斗に代わってキャプテンマークを巻いた秋山裕紀も力を込めたが、これだけの雰囲気を作ってもらった以上、全力を出し切らないわけにはいかない。そんな思いを松橋力蔵監督も選手たちも胸に秘め、大一番に挑んだに違いない。
「決勝の舞台を経験している選手が数少ないですし、誰でもこのピッチでは少なからず緊張すると思う」と秋山が言うように、序盤の新潟はやや硬い入りを強いられた。日本代表経験のある永井謙佑稲垣祥らが並ぶ名古屋に比べると高度な経験値でやや劣るのは確か。それでも彼らは松橋監督が積み上げてきたGKを使った自陣からのビルドアップを積極果敢に披露。マンツーマンでハイプレスを仕掛けてきた相手にもひるむことなく、自分たちのスタイルを押し通そうとした。

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