大島僚太と山本悠樹の関係

「展開も展開だったのであまり喜べなかったけど、ゴールから遠ざかっていたので、ひとつ取れたのは個人的には大きい。それよりも、勝てなかったのが悔しい」
 試合後にゴールをこう振り返った山本は、ダブルボランチの一角として先発フル出場。そして70分を境に、コンビを組むパートナーが河原創から、右ハムストリングの肉離れで戦列を1カ月あまり離れていた大島僚太に代わった。
 パスの供給能力に長ける大島と山本が、同時にピッチに立ったケースはこれまで一度しかない。8月17日の横浜F・マリノス戦での7分間だけで、山本も「一緒にプレーする時間が短かった」と、練習でもほとんど組んでいないと示唆した。
 それでも2人のプレーから、ぎこちなさの類は微塵にも伝わってこない。山本が「お互いの立ち位置を見ながら、何をしたいのかをくみ取る形でプレーしていた」と明かしたように、感性をフル稼働させながら攻撃を組み立てていた。
「ボールを受ける前の体の向きであるとか、首を振る回数といったところから何となく意図も伝わってくる。僚太さんのところで時間を作ってくれる分、自分がいいポジションを取る動きもできるし、逆に僚太さんのところを空けられるような立ち位置を自分が取ったときには、簡単に前へと進める場面もあったので」
 特に言葉も必要なかったと明かした山本は、さらにこう語っている。
「お互いにやりたいプレーや意図を伝えるのが得意なので、いい感じに組み合わせていけばさらにチャンスも作れると思うし、そういう時間を増やしいきたい」

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