【J2清水が悲願のJ1復帰。今季初めての昇格を決めた舞台裏(2)】正念場でチームを団結させたキャプテンの一発退場……矢島慎也「このチームにとって必要だったんじゃないか」の画像
清水エスパルスの矢島慎也 撮影:中地拓也

 3シーズンぶりのJ1復帰を決めた直後の公式会見。オレンジ色の昇格記念Tシャツを重ね着して、同色のマフラーを首に巻いて登壇した清水エスパルス秋葉忠宏監督は、喜びのコメントに苦言をまじえるのも忘れなかった。

「(北川)航也には説教をしてきました。あそこはグッと我慢しなきゃいけない場面でしたし、だからこそ大いに反省してもらって、もっともっと成長するように、より素晴らしい人間になれるように、また奮起してほしいと思っています」
 栃木SCのホーム、カンセキスタジアムとちぎに乗り込んだ27日のJ2リーグ第36節。勝てば自動的にJ1昇格が決まるなかで、清水が1点をリードして迎えた83分に、状況を一変させかねないプレーが飛び出した。
 MF乾貴士に代わって70分から投入され、同時にMFカルリーニョス・ジュニオから赤いキャプテンマークをわたされていたFW北川航也が、栃木のMF森俊貴の背後からのファウルで倒され、苦悶の表情を浮かべた直後だった。
 左足で森の頭を蹴ってしまう報復行為を、前の前で見ていた岡部拓人主審が問答無用のレッドカードを北川に提示する。まさかの一発退場。アディショナルタイムを含めて15分以上もの時間を、清水は10人で戦わざるをえなくなった。

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