■宇野禅斗がもたらしたもの

 加えて言うと、7月に町田ゼルビアから加入した宇野禅斗がもたらしたものも少なくなかった。5月に清水入りした反町康治GMも「今のエスパルスはうまい選手は沢山いるけど、うまくて走れる選手が数多くいるとは言えない。そういう選手が必要」と語っており、デュエルやボール奪取力に秀でた宇野の補強にいち早く踏み切った。その効果は絶大で、夏場以降の清水は中盤の守備強度が確実にアップ。猛暑に見舞われた8~9月を1敗だけで乗り切れたのも、彼の運動量や献身性があってこそだろう。
 後半戦からジョーカー起用された矢島慎也西澤健太らの力も大きかった。豊富なキャリアを誇る矢島は本来、スタメンでチームをリードしたいという思いが強かったはずだが、秋葉監督の起用法を受け入れ、限られた時間で大きな仕事をすることに徹してきた。
「今、このチームが置かれてる状況とか、自分の立場とか、秋葉さんの使うタイミングとかの信頼の置かれ方的には、こういう形(途中出場)が多くなっている。そこに対する自分の気持ちの持ちようっていうのは、若い時に比べたらうまくできているのかな」と本人も神妙な面持ちで話していた。

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