■88年ぶりの「ワールドカップ」出場へ
攻撃陣で今、注目を集めているのが21歳のFWラファエル・ストライクだ。バーレーン戦では後半に見事な逆転ゴールを決めている。ペナルティーエリアの左角外でボールを受け、一歩持って入って右足でカーブをかけてゴールの右上隅に送り込んだ。もちろんオランダ生まれで、全4試合に先発出場。今年1月のアジアカップ、5月のAFC U-23アジアカップでも活躍、現在はオーストラリアのブリスベーン・ロアーに所属している。
10月シリーズには負傷で参加できなかったが、昨年セレッソ大阪に在籍した大型選手のジャスティン・ヒュブナーも注目のひとりだ。CBとボランチをこなし、187センチと大柄で、存在感を放つ。所属のウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(イングランド・プレミアリーグ)ではまだ出番がないが、将来性の高い21歳の選手だ。もちろんオランダ生まれである。
インドネシア・サッカー協会はさらに選手を探し、交渉を続けており、11月にはオランダ生まれ、U-21オランダ代表の経歴を持ち、現在はデンマークでプレーするケビン・ダイクス(コペンハーゲン=デンマーク=所属)が加わるという報道もある。
今回の予選を見ると、インドネシアは試合ごとに自信をつけ、チームが急速に成熟しつつある。その一方で申台龍監督は、前述の6人ばかりの中核選手を除くと試合ごとに先発を入れ替え、常にフレッシュな状態で戦わせている。「3強3弱」と言われたC組で、その「3強」のうちの2チーム、サウジアラビア、オーストラリアと引き分け、「88年ぶりのワールドカップ出場」はまだまだ手が届くところにある。
インドネシアが「第2のセネガル」にならないと、誰が言えるだろうか。