【痛恨の逆転負けを喫したJ2清水。“去年”を繰り返さないために乗り越えるもの (2)】矢島が強く見据えるJ1昇格のための勝利。「先を見据えてとかいう立場じゃないんです」の画像
モンテディオ山形戦後に悔しそうな表情で挨拶する清水エスパルスの選手 撮影:中地拓也
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 希望に満ちた先制点は、矢島慎也の右足が起点だった。モンテディオ山形陣内の右サイド、乾貴士とパス交換した矢島は、ペナルティエリア内の浅いエリア目掛けてクロスを入れる。

 相手DFが頭ではね返せずに流れたところ、カルリーニョス・ジュニオがトラップして右足で強烈なシュートを放つ。相手GKも弾くことしかできなかったところに、北川航也が詰めて押し込む。それまで何度もチャンスを作りながらゴールネットを揺らすことができなかったが、矢島の素早い判断がゴールに結びついたのだった。
「勝ちにいく状況だったので、点を取りに行く」
 矢島自身に途中出場時のイメージを聞けば、そう答える。7月中盤以降のほとんどの試合を途中出場としている矢島だが、その技術や戦術眼はたしか。この場面も、「自分たちが押し込んだときにクロスが少ないってのは、このチームに圧倒的にある」と感じていたからこそ、「(北川)航也が駆け引きとかしてくれたり、彼も逆からヘディング強いんで、とりあえず入れてみて、跳ね返されたとしても、今日みたいにセカンドボールから相手の陣形は崩れてくる。クロスを蹴って回収して、また二次攻撃、三次攻撃みたいなのも絶対に必要なので。そこでシンプルにクロスをあげようと思った」と振り返り、得点をチームにもたらすイメージを説明してみせた。

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