■乾貴士がチームに呼びかけるもの
乾が話す“去年と変わっていない”とは何を指すのか。さらに聞けば、「チームとしても、個人としてもだと思います」と話し、「同じ失敗をまたこうやって繰り返しているので。自分自身もそうですし、こういう試合で結果も出せないですし、本当に、さっきも言いましたけど、もう情けないですね。はい」と肩を落とす。
しかし、「だからこそ、今、チームメイトに呼びかけたいことは何か」と尋ねれば、一気に言葉に力を入れてこう語る。
「いや、もう死ぬ気でやろうってことだけですよね。もうそこで、絶対勝って。まず昇格を決めることだけですかね」
去年の悔しさはいまだ癒えない。昨年終盤戦での苦しみを知っているからこそ、それを繰り返さないために、百戦錬磨の背番号33が気持ちの強さを訴えようとしている。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)