【痛恨の逆転負けを喫したJ2清水。“去年”を繰り返さないために乗り越えるもの (1)】“ほぼほぼ完ぺきな試合”に敗れて過ごす1週間で落とし込むものとは……乾貴士がチームに呼びかけるものの画像
モンテディオ山形戦でプレーする清水エスパルスの乾貴士 撮影:中地拓也

「ほぼほぼ完璧な試合でしたが……」

 マイクを持つサッカー元北朝鮮代表の鄭大世氏は、IAIスタジアム日本平の記者会見室で秋葉忠宏監督に最後の質問を投げかけた。J1昇格を懸けて挑んだJ2リーグ第35節において、J2清水エスパルスが先制しながら逆転負けを喫した直後の監督会見でのことだ

 鄭大世氏が聞いたのは、次の試合に向けての1週間で何を落とし込むのかというもの。秋葉監督は回答に間を置かない。「最後、どう点を取るかだと思いますから、まず単純にボックス周りの崩しと、ボックス内からいかにシュート数を増やせるかどうか」と答え始める。
 それだけでは終わらず、「80%、90%がボックス内からのシュートになると思いますから、ワンタッチのゴールを含めて、ボックス内からいかにその回数を増やせるか、再現性高く何度もその崩しができるかだと思います。まずはアタックのところでどう点を取るか、また1週間、突き詰めながら、その中でやっぱり2失点してしまいましたので、もう一度90分間(守備も)やり続ける。一瞬の隙を見せないようなまたそういう守備も含めて準備していきたい」と一気に言葉を放出した。その言葉は努めて明るく、自らを、そしてチームを勇気づけるかのようだった。

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