【鹿島を離れて3か月、J2山形のJ1昇格請負人へ。土居聖真の今(1)】「鹿島でやっていた頃とは心も体も別人のような感覚」と充実感。故郷のクラブをJ1へ導く!の画像
モンテディオ山形の土居聖真 撮影:中地拓也

 いよいよ佳境を迎えている2024年J1昇格争い。すでに王手をかけている清水エスパルスは20日のホーム・モンテディオ山形戦に勝利すれば、自力でJ1切符を手にできる状況だった。

 地元の期待は大きく、IAIスタジアム日本平には今季最高の1万8284人の大観衆が詰めかけたが、対戦相手・山形は難敵。直近5連勝と急浮上し、J1昇格プレーオフ圏内目前まで上がってきているのだ。
 そのキーマンと言えるのが、ジュニアユース時代から約20年過ごした鹿島アントラーズを離れ、7月25日に故郷のクラブ・山形へ赴いた土居聖真。32歳のアタッカーはここまで4ゴールを叩き出し、山形の躍進の原動力となっているのだ。
 土居が赴いてからの山形は、8月31日の横浜FC戦で黒星を喫した以外は無敗。順位も彼の加入直前の第24節時点では13位だったのに、清水戦前の第33節時点では7位と、凄まじい勢いでスパートを見せているのである。
「(夏の)中断期間に加入した選手たちの働きというものは、みなさんが思っているように素晴らしいものがあると思います。ただ、チームの全体の構図としては何も変えていることはなくて、そこに対してより選手たちが早い判断とそれに伴う実行の速さで相手よりもポジショニングの部分で先手を取ることができている。そこが結果に結びついている一番大きな要因だと思います」
 Jリーグきっての理論派として知られる渡邉晋監督はこう説明する。やはり土居を筆頭に、6月に湘南ベルマーレから加入したディサロ燦シルヴァーノ、8月にザスパ群馬から移籍した城和隼颯ら新戦力がチームに厚みをもたらしているのは確かなのだ。

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